新人技術者のためのエレクトロニクス・オンライン塾シリーズ
少人数制の集中講座!ベテランの技術者が現場のノウハウを直伝

[Webinar/data]測定精度を極める!工業計測アナログ回路塾

OPアンプの基礎からノイズ・誤差対策,信号処理,基板設計,補正処理の検証まで



お申し込み

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回数 LIVEセミナ
開催日
時間 タイトル 定価 申し込み
第1回 8月6日(水) 13:30~15:00 OPアンプの基礎と基本回路の設計 39,600円
第2回 8月20日(水) 13:30~15:00 差動・計装アンプの設計とCMRRの最適化手法
第3回 9月3日(水) 13:30~15:00 高精度アナログのための誤差とノイズの解析と対策
第4回 9月17日(水) 13:30~15:00 センサ信号処理と補正アルゴリズム
第5回 10月1日(水) 13:30~15:00 信号精度を高めるプリント基板設計・実装技術
第6回 10月15日(水) 13:30~15:00 構想から実機精度検証までの設計プロセス

お申込み前にご理解いただきたいこと

  1. 本セミナは,全6回(各回90分)のコースで,受講料は合計39,600円(税込)です.
  2. 上記の時間は,LIVEセミナの開始・終了時間です.録画受講も可能です.お申し込みいただいた方には,各回の録画をLIVEセミナ開催後にご案内します(視聴期間:3日間).
  3. 本セミナでは「Zoomミーティング形式」を使用します.講師による説明終了後,音声での質疑応答や意見交換が可能です.
  4. 本セミナの最小催行人数は5名です.
  5. 5名以上の団体でのお申込みをご希望の場合は,info@zep.co.jp までお問い合わせください.
  6. 本セミナを予定どおり開催する場合,開催日の3日~1週間前を目安にお支払い方法をご案内いたします.企業・教育機関の方には,請求書による後払いにも対応しております.事前に見積書が必要な場合は,info@zep.co.jp までお問い合わせください.
  7. 本セミナには,LTspiceによる回路データおよびExcelによる設計用スプレッドシートが付属されます.
  8. 講義テキスト,回路・設計データ類は,LIVEセミナ当日に配布いたします.

学ぶこと

あらまし

「新人技術者のためのエレクトロニクス・オンライン塾」シリーズは,現場経験豊富なベテラン技術者が,豊富な資料や設計データを用いて,設計に不可欠な実践ノウハウを短期間で効率よく伝授する,少人数制のオンライン講座です.

本セミナでは,測定範囲0~200℃,表示分解能0.01℃,誤差±0.03℃という高精度温度計を題材に,工業計測に必要なアナログ回路設計技術を学びます.OPアンプ回路の基礎,誤差・ノイズ解析,さらにRTDや熱電対を用いた実用的な信号変換と補正手法,高精度を支えるプリント基板のグラウンド設計まで,段階的に設計スキルを習得していきます.

最終回では,回路完成とともに設計根拠の妥当性も検証しながら,実践に即した設計フローを体得します.電子計測・制御分野における高精度アナログ設計の力を,演習とシミュレーションを通じて身につける全6回の技術者向け講座です.

図1 構成設計段階におけるブロック
図2 後段の差動アンプの抵抗R4のみを調整してバランスをとり,理想的なCMRRを実現した計装アンプ
写真1 測定温度レンジと要求精度で使い分ける温度センサ

アジェンダ

第1回 OPアンプの基礎と基本回路の設計

  1. OPアンプの役割と基本特性の理解
    アナログ回路における役割,巨大な開ループ・ゲインAOL,片側/両側/同相入力の違いと応答
  2. 負帰還による動作原理とゲイン制御
    負帰還の概念,閉ループ・ゲインACLとAOLの関係,ゲイン精度向上のしくみ,数式とLTspiceシミュレーションによる検証
  3. 基本回路と応用設計
    反転/非反転アンプ,サミング・ポイントの電位誤差の扱い,単一電源A-Dコンバータ駆動などの応用回路
  4. Q&A

第2回 差動・計装アンプの設計とCMRRの最適化技法

  1. 計装アンプと差動アンプの基本動作とCMRR
    ノーマル/コモンモード・ゲインとCMRR,差動アンプの構造と利点,ATT構成と抵抗バランスによるCMRR改善
  2. 伝達式の導出手順と設計の考え方
    差動アンプと計測アンプの伝達式導出ステップ,前段・後段アンプの合成,LTspiceシミュレーションによる検証
  3. OPアンプの誤差要因と回路シミュレータでの評価
    入力オフセット,バイアス電流,ドリフトなどの誤差とCMRRとの関係,スペックの見方とLTspiceによる確認
  4. Q&A

第3回 高精度アナログのための誤差とノイズの解析と対策

  1. 入力誤差とその補正技術
    入力オフセット電圧やバイアス電流による誤差の原因と補正法,温度ドリフトへの対応
  2. 同相モード除去とCMRRの理解・測定
    CMRとCMRRの違い,その測定法と改善方法,AOLとの関係や実回路での対策
  3. オペアンプ回路におけるノイズと評価指標
    白色ノイズ・1/fノイズの基本,ノイズゲイン,RCフィルタによる低減,統計的評価法
  4. ノイズ源とその対策
    電圧・電流ノイズの発生要因,チョッパ型アンプの活用,RSSによる総合ノイズの評価
  5. Q&A

第4回 センサ信号処理と補正アルゴリズム

  1. 測温抵抗体(RTD)のしくみと高精度測定法
    Pt100の特性,R/V変換と励起法の比較,3線式による補正技術,非直線性補正とその実践
  2. 熱電対TCの基本と応用のポイント
    熱起電力の仕組み,材質ごとの型式・感度・温度範囲,冷接点補正や非直線性への対応
  3. 熱電対データ処理と補正技法
    K型熱電対の非直線性補正式の導出,Excelによる設計スプレッドシートや,LTspiceを用いた精度評価,ルックアップ表の活用
  4. Q&A

第5回 信号精度を高めるプリント基板設計・実装技術

  1. 基板設計とグランド活用の基本
    ベタ・アースの落とし穴,信号グラウンドの専用パターン化,電源グラウンドの使い分け,OPアンプの負荷認識と伝達精度の向上
  2. ケルビン接続とリモート・センシングの実践
    4線式配線での誤差低減,多段アンプ・差動アンプへの応用,シールドとしての信号グラウドの展開,ディジアナ混在のグラウンド設計
  3. 実装・実験に基づく高精度回路設計の勘所
    マルチチャネルA-Dコンバータの基板設計,高入力インピーダンス回路のパターン設計,浮遊容量対策とブートストラップ活用
  4. Q&A

第6回 構想から実機精度検証までの設計プロセス

  1. 新規開発における設計準備と規格確認
    事前調査・検討段階での情報収集と,対象製品に適用される規格の確認がスタート地点
  2. 構想設計と部品選定の進め方
    センサ特性の把握,高分解能ADCと電源方式の選定,基準電圧やD-Aコンバータによる誤差補正,MPUの役割を見据えた設計構想
  3. 詳細設計と精度検証の実務
    正確な補正式の導出,PGAゲイン設定,各段階を可視化したスプレッドシートの活用,実機と理論の精度比較
  4. Q&A

本セミナの応用分野

  • 工業計測・プロセス制御:ボイラや反応槽などの温度監視・制御や精密製造プロセス
  • 医療機器開発:体温測定や温調装置など,高精度センサ回路が求められる分野
  • 計測器・校正装置:標準器やリファレンス温度計,精密信号処理系の開発
  • 環境・IoTセンシング:高精度な環境モニタや無線温度計測などのセンシング機器設計
  • アナログ前段回路:RTD・熱電対などの微小信号読出しやA-Dコンバータ/プログラマブル・ゲイン・アンプとの連携設計

あると望ましい予備知識

  • 電子回路シミュレータLTspiceの基本操作
  • オームの法則などの電気・電子の基礎知識

受講対象

  • アナログ回路設計の実践力を身につけたい技術者・研究者
  • 精密計測やセンシングに携わる方
  • 高精度温度計や信号処理回路の開発に関心のある回路設計者
  • 工業計測,医療機器,環境センシングなどの分野でアナログ設計を行う開発者
  • アナログ・フロントエンドのノウハウを整理し直したいエンジニア
  • 実用的な演習を通じて,誤差解析や設計精度の高め方を学びたい方

実習に必要なパソコンや周辺環境

講師紹介

略歴

  • 1969年 医療用計測器メーカ入社.心電計,血圧計などの設計に従事
  • 1986年 日本バー・ブラウン入社.工業用リニアICのFAE課長
  • 2001年 日本テキサス・インスツルメンツとの合併で同社へ同職で編入
  • 2004年 同職の部長および上級主任技師(SMTS)へ昇進
  • 2007年 定年退職後,同社の専門職契約にて社員教育/セミナ講演を担当
  • 2021年現在 電気電子系雑誌「トランジスタ技術」のフリー・ライタ

VOD教材 [視聴無制限]

  1. [VOD]高精度アナログ計測回路&基板設計ノウハウ

主な著書

  1. 測る電子回路の作り方,トランジスタ技術スペシャルNo.131,CQ出版社.
  2. 電池応用ハンドブック(共著),CQ出版社.
  3. LTspice設計事例全集(共著),CQ出版社.
  4. 連載「新人技術者のアナログ回路スタディ」,トランジスタ技術2021年1月~執筆中,CQ出版社.