【主催】
ZEPエンジニアリング

  • イベント名:Days on the ZEP 2024 Autumn(第5回)
  • 演題:LiDAR×RTK×IMUフュージョン!自動運転&SLAMロボット開発 要点100
  • 受講料:無料(全4セッション)
    ※収録,再編集後,視聴無制限の講義テキスト付きVOD発売 【参考】Days on the ZEP 2024 Summer
  • LIVE受講:11月15日(金)10:00-15:30 録画受講:11月16日~11月22日
  • 申込締切:11月15日 17:00
  • 受講方法:Zoomによるオンライン受講 ※登録時に接続先を自動配信.開催前にもメールでの案内を予定しています
  • 受講者属性:Days on the ZEP 2024 Spring 第3回(1245名,4月26日,SiC/GaNトランジスタ活用)

  • 受講・協賛のお問い合わせinfo@zep.co.jp (03)6825-5851


【セッション1】
センチ・メートル測位「キネマティックGNSS」の始め方

方位角精度0.4度を得られるGNSSコンパスの人力飛行機への搭載事例

  • 日時:11月15日(金) 10:00~11:00
  • 講師:樋田 啓

講演内容

RTK(RealTime Kinematic)に代表されるキネマティックGNSS(Global Navigation Satellite System)測位は,数センチメートルの精度で位置情報を取得できるため,測量分野をはじめ,農業機械やドローンの自動制御など,幅広い応用がなされています.また,2台以上のGNSSアンテナを数メートル離して測定対象物に取り付けることで姿勢角を測定する「GNSSコンパス」は,キネマティックGNSS測位の重要な応用技術です.

本セッションでは,まずGNSSを用いた単独測位の基礎を解説した後,キネマティック測位において誤差要因をどのように除去し,高精度な測位が実現できるかについて詳しく説明します.また,2万円程度と比較的安価に入手できるGNSSモジュール(u-blox ZED-F9P)を人力飛行機に搭載し行ったキネマティック測位やGNSSコンパスによる姿勢測定データの実例を紹介します.さらに,INS(慣性航法装置)とGNSSを組み合わせた複合航法装置を用いた姿勢測定との比較を行い,両者が0.4度程度の範囲で一致することがわかりました.

受講対象

  • キネマティックGNSS測位を基礎から理解したい方
  • キネマティックGNSSの計測精度の実力値に興味のある方
  • GNSSによる姿勢計測(特に方位角)に興味のある方

講師紹介

略歴

  • 2013年 東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系 博士課程修了
  • 博士(学術)
  • 学生時代から現在まで,人力飛行機の電子装備の設計・製作・運用を行う

主な著書

  1. PSoCを使用したプロトン磁力計,トランジスタ技術2009年1月号,CQ出版社.
  2. 舞いあがれ人力飛行機(連載) Interface 2023年2月号~2024年5月号,CQ出版社.

【セッション2】
GPS/GNSSとIMUの統合による高精度位置推定技術の最前線

カルマン・フィルタとパーティクル・フィルタを活用したGNSS補完と姿勢推定技術

講演内容

近年,GPS/GNSS技術の進展により,一般的な製品でも高精度な位置情報が利用可能となっています.これにより,測量だけでなく,さまざまな移動システムの運行管理や,自動車やロボットの自動運転にもGPS/GNSSが活用されてます.しかし,GPS/GNSSには,位置推定のために衛星からの信号が必須という制約があります.このため,GPS/GNSS単独では常に位置を推定できない場合があり,他のセンサやシステムと併用することが一般的になっています.

本セッションでは,まずGPS/GNSSの最新技術動向と基本的な測位原理について解説します.次に,GPS/GNSSが利用できない環境に対応するために開発・活用されている技術について説明します.特に慣性センサ(ジャイロ,加速度計)に焦点を当て,これらが組み込まれたIMU(Inertial Measurement Unit)の最新動向と利用上の注意点,さらにGPS/GNSSと組み合わせて使用される際のカルマン・フィルタやパーティクル・フィルタの構成と,その利用における留意点について解説します.

受講対象

  • GPS/GNSSを利用してシステム構築の検討をされている方
  • 自動車,ロボット,その他の移動をするシステムの運行管理,制御を検討されている方
  • IMU,ジャイロ,加速度計を利用して姿勢の推定を検討されている方

講師紹介

略歴

  • 2008年 早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程を修了し,博士(工学)を取得
  • 2008年 株式会社豊田中央研究所に入社.測位/地図生成技術の研究開発に従事
  • 2017年 名城大学理工学部メカトロニクス工学科 准教授 測位/地図情報の高度化/評価手法の研究開発を実施

主な著書

  1. 3章 地図作成と自己位置推定,自動運転技術入門: AI×ロボティクスによる自動車の進化,2021年,オーム社.
  2. 3章 認知:地図と位置姿勢推定,自動運転(モビリティイノベーションシリーズ 5) ,2021年,コロナ社.

【セッション3】
3D LiDARを用いた高精度SLAM/Localizationの基礎

スキャン・マッチングの数理からレーザ・センサ×IMUフュージョンによる実装技術まで

講演内容

本セッションでは,3D LiDARを用いたSLAMとLocalizationの基礎となるリー群やリー代数の話から始めて,これらを用いた最適化の実装例について解説します.またLiDAR単体では困難な高速回転に追従するために,IMUとの融合を行う方法についても解説します.

LiDARを用いたSLAM/Localizationでは,点群と点群のマッチングを行う,いわゆる「スキャン・マッチング」が基礎になります.スキャン・マッチングとは,「点群間の対応点同士の距離を最小にする変換を求める」という問題なので,最適化問題に帰着させることができます.最適化問題を解くためには基本的にコスト関数の微分を求めることが重要ですが,SLAM/Localizationの問題では,姿勢角が含まれるため,微分の計算が煩雑になります.また,姿勢角をオイラー角(ヨー,ピッチ,ロール角による表現)を用いて表現すると,ジンバル・ロックなどの問題が現れます.そのため,単に最適化するといっても,実は以外と難しい問題となります.しかしリー群とリー代数と呼ばれるものを用いることでこれらの問題は解決され,おどろくほど簡単にスキャン・マッチングは実装できるようになります.

しかし.スキャン・マッチングが実装できたとしても,LiDARの計測周期はそれほ速くない(約10Hz)ため,高速に移動,回転する物体の位置を正しく追跡することは困難です.この問題を解決するため,近年では3D LiDARとIMUを融合する方法が多数提案されています.本セッションではその融合方法のいくつかを紹介しながら,講演者が実際に実装,使用している融合方法についても解説します.

受講対象

  • SLAM/Localization技術を学びたい技術者や学生
  • ロボットや自動車の自律移動に興味をお持ちの方

講師紹介

略歴

  • 出身地 :栃木県芳賀郡益子町
  • 仕事  :2016年,宇都宮大学大学院博士後期課程修了,博士(工学).その後名古屋大学未来社会創造機構で特任助教,工学研究科で助教を経験し,現在未来社会創造機構の特任准教授.2022年に株式会社LOCTを設立し,代表取締役を務める.
  • 趣味  :バレーボール,サウナ,トレーニング
  • 執筆活動:2022年コロナ社から書籍出版,他Qiitaでいくつかの解説記事を執筆

主な著書

●雑誌論文

  1. Reliable Monte Carlo localization for mobile robots, Journal of Field Robotics, vol. 40, no. 3, pp. 595-613, 2023.
  2. Detection of localization failures using Markov random fields with fully connected latent variables for safe LiDAR-based Automated driving, IEEE Transactions on Intelligent Transportation Systems, vol. 23, no. 10, pp. 17130-17142, 2022.
  3. Mobile robot localization considering uncertainty of depth regression from camera images, IEEE Robotics and Automation Letters, vol. 7, no. 2, pp. 1431-1438, 2022.

●書籍

  1. LiDARを用いた高度自己位置推定システム - 移動ロボットのための自己位置推定の高性能化とその実装例 -, 2022年,コロナ社.

【セッション4】
基準局レス!センチ・メートルCLAS測位入門

通信インフラに依存しない安定した測位環境の実力を探る

講演内容

低価格なマルチバンドRTK受信機の台頭や,ソフトバンクなどが提供するRTK基準局情報配信サービスにより,RTK測位の利用環境の整備が急速に進みました.基準局からの距離が10km超となる長基線長でも非公式ながらFixする受信機も多く使われており,日本全土でどこでもRTK測位が利用できる環境が整いつつあります.社会インフラの維持管理にRTK測位を応用しようとする取り組みも始まっていますが,課題として,これらサービスがモバイル・データ通信の上に成り立っていることです.

近年頻発する豪雨や地震などの大規模災害では,堅固と思われていた通信インフラがダメージを受け,その利用に支障を生じました。このような問題を解決するのが,日本が独自に打ち上げて運用管理する衛星測位システム「みちびき」です.現在,運用中の4機の衛星からは,独自の補強信号サービスが提供されています.

この補強信号に対応する受信機1台だけで,次世代の高精度衛星測位として期待されるCLASとMADOCA-PPPというセンチメートル・レベルの高精度測位ができます.契約不要の無料放送で,基準局データは不要なのでRTK測位のように他の通信に頼る必要はありません.このように世界に誇る先進的なサービスですが,その実力はまだ多くの人には知られていません.本セッションでは,その測位性能について皆さんと共有いたします.

受講対象

  • cmレベルの高精度な衛星測位に興味のある方
  • 屋外での移動体位置を高精度に計測したい方
  • 災害時に高精度な衛星測位を利用したい方
  • 高精度な衛星測位を既に利用しているが基準局の設置やそのデータ通信に煩わしさを感じている方

講師紹介

略歴

1993年西松建設(株)技術研究所研究員,2000年茨城工業高等専門学校助手,2002年博士(工学)「リアルタイム・キネマティックGPS測位の建設工事における応用に関する研究」,主に建設業における高精度衛星測位の応用において,1周波RTK測位の普及等のローコスト化,遮蔽やマルチパスの多い環境におけるセンチメータ級測位の応用,誤差補正法に取り組む.RTK-GPSの誤差補正法等で2001年日本測量協会測量技術奨励賞,地下埋設物可視化システムの開発で2019年土木学会技術開発賞を受賞.2020年より静岡大学土木情報学研究所客員教授.
 詳細はこちらから

主な著書

  1. [VOD]センチメートル測位RTKのしくみと開発技術
  2. センチメートルGPS測位 F9P RTKキット・マニュアル,2020年,CQ出版社.
  3. 電波の悪い森の中でも美軌道測位,トランジスタ技術2019年10月号,別冊,pp.2~3,CQ出版社.
  4. 高精度衛星測位の性能と応用事例,日本ロボット学会誌,37(7),pp.15~20,2019.7
  5. 最新RTKレシーバFix性能対決,トランジスタ技術2019年2月号,pp.41~45,CQ出版社.
  6. センチメートル測位RTK法の基礎と実力,トランジスタ技術2016年2月号,pp.66~79,CQ出版社.
  7. 衛星測位を利用した土壌汚染状況調査における調査地点設定システム,測量,65(12),pp.14-17,2015.12




お問い合わせ

ZEPエンジニアリング株式会社

https://www.zep.co.jp/

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