Pythonで学ぶ マクスウェル方程式 【電場編】+【磁場編】

LCRから高速伝送路/アンテナまで プログラミングで学ぶ電磁気学入門(講義790分/資料497頁)


ポアソン方程式を解いて得た平行平板キャパシタの電位分布 マクスウェル方程式を構成する方程式の1つ 「ファラデーの電磁誘導の法則(積分形)」

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Pythonで学ぶ マクスウェル方程式
【電場編】+【磁場編】
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ご購入前にご理解いただきたいこと

  1. 本セミナは,2022年11月19日&20日に開催したウェビナを録画して編集した動画です.繰り返し再生,一時停止,巻き戻しが可能です.

学ぶこと

電気回路設計とは「電荷の動きを知ること」であり,そのために必要な理論をまとめた体系が「電磁気学」 電子回路の本質は「LCR回路」であり,本セミナではL,C,Rを徹底的に理解することを目指す
「電場に関するガウスの法則」の本質的なイメージ 「電気双極子がつくる磁場」と「微小円電流がつくる磁束密度(磁場)」の類似性

電場編

あらまし

電子回路の基本素子である「インダクタ」や「キャパシタ」はもちろんのこと,高速信号用の「伝送線路」の設計や「半導体デバイス」を理解する上でも本質的な役割を果たす「マクスウェル方程式」を学ぶセミナの前半です.

「電場編」では,電磁気学全体を理解する上で不可欠な「ベクトル解析」を自由自在に使いこなせるようにします.「ベクトルの基礎」,「ナブラ」,「勾配」,「発散」,「回転」,「ガウスの発散定理」,「グリーンの定理」,「ストークスの定理」といった項目を丁寧に解説します.これらの数学的な道具が揃えば,マクスウェル方程式の中の1つである「電場に関するガウスの法則」を簡単に理解できます.さらに「保存場」や「電位」の概念を導入し,最終的に「キャパシタのI-V特性」を導きます.実際に電子回路を設計する際の注意点にも言及します.

マクスウェル方程式を構成する方程式の1つ 「電場に関するガウスの法則(積分形)」 電気・電子工学の理論の地図

演目

(1) 電磁気学と電気回路設計

  • 回路設計の本質
  • なぜ電磁気学が必要なのか
  • 電気・電子工学の理論の地図
  • 電磁気学の構造

(2)ベクトルとベクトル場

  • ベクトルの基礎知識
  • 内積と外積
  • スカラ場とベクトル場

(3)クーロンの法則と電場

  • クーロンの法則
  • 電場の導入

(4)電場に関するガウスの法則

  • 積分形のガウスの法則
  • 偏微分と全微分
  • ナブラと勾配
  • ベクトル場の発散
  • ガウスの発散定理
  • 微分形のガウスの法則

(5)電位とエネルギ

  • 仕事とエネルギ
  • 保存場
  • ベクトル場の回転
  • ストークスの定理
  • 電位の導入

(6)ポアソン方程式

  • ポアソン方程式の導出
  • ポアソン方程式をPythonプログラムで解く

(7)導体

  • 導体中の電場
  • 静電遮蔽

(8)誘電体

  • 誘電分極
  • 誘電率
  • 電束密度

(9)キャパシタ

  • 静電容量
  • キャパシタのI-V特性
  • 実際のキャパシタ

磁場編

あらまし

電子回路の基本素子である「インダクタ」や「キャパシタ」はもちろんのこと,高速信号用の「伝送線路」の設計や「半導体デバイス」を理解する上でも本質的な役割を果たす「マクスウェル方程式」を学ぶセミナの後半です.

「磁場編」では,「電流にはたらく力」を中心として話を進めます.最初に「磁場」を導入し,「ビオ・サバールの法則」や「アンペールの法則」について解説します.その後「磁場に関するガウスの法則」,「アンペール・マクスウェルの法則」,「ファラデーの電磁誘導の法則」を導出します.前半の「電場編」と合わせると,これでマクスウェル方程式を構成する4つの方程式がすべて揃います.最後に「インダクタのI-V特性」を導き,電磁気学的な視点で回路設計を行う方法についてまとめます.

直線電流がつくるベクトル・ポテンシャル ベクトルの外積

演目

(1)定常電流と回路

  • オームの法則
  • ジュールの法則
  • キルヒホッフの法則

(2)電流にはたらく力と磁束密度

  • 電流どうしにはたらく力
  • 磁束密度の導入
  • ローレンツ力
  • ビオ・サバールの法則

(3)アンペールの法則

  • 積分形のアンペールの法則
  • 微分形のアンペールの法則

(4)ベクトル・ポテンシャル

  • ベクトル・ポテンシャルの導入
  • ベクトル・ポテンシャルとビオ・サバールの法則

(5)磁性体

  • 分子電流と磁化
  • 磁気双極子モーメント
  • 常磁性,強磁性,反磁性
  • 磁場の導入
  • 透磁率

(6)アンペール・マクスウェルの法則

  • 変位電流
  • 積分形のアンペール・マクスウェルの法則
  • 微分形のアンペール・マクスウェルの法則

(7)ファラデーの電磁誘導の法則

  • レンツの法則
  • 積分形のファラデーの電磁誘導の法則
  • 微分形のファラデーの電磁誘導の法則

(8)インダクタ

  • インダクタンス
  • インダクタのI-V特性
  • 実際のインダクタ

講演の目標

  • 「マクスウェル方程式」の本質を理解して回路設計に活かせるようになる
  • インダクタ“L”,キャパシタ“C”,抵抗“R”を徹底的に理解する
  • 電場“E”,電束密度“D”,磁束密度“B”,磁場“H”の役割を理解する
  • 「勾配」,「発散」,「回転」といった微分演算を理解する
  • 「ガウスの発散定理」や「ストークスの定理」といったベクトル解析の定理を理解する
  • 真空の誘電率“ ${ε_0}$ ”や真空の透磁率“ ${μ_0}$ ”とは何なのか説明できるようになる

受講対象

  • マクスウェル方程式を理解したい方
  • 電磁気学で使う数学(ベクトル解析)を体系的に学びたい方
  • キャパシタとインダクタの動作原理を理解したい方
  • 低周波回路,高周波回路を問わず電気回路で起こる現象の本質を理解したい方
  • 理論上の仮定(線形性)と現実の回路のひずみ(非線形性)を整理したい方
  • 方程式で表される内容をPythonプログラムで表現したい方
  • 初等関数(特に三角関数)と1変数の基本的な微分・積分は既に理解しているものとします.詳しい内容は『[VOD]Pythonで学ぶ やりなおし数学塾1【微分・積分】』のセミナで解説します.
  • 力学の初歩的な内容(運動方程式や仕事の定義など)は既に理解しているものとします

※本セミナではPythonの初歩的な文法は既知とした上で,学習の補助用にいくつかのプログラムを示します.Pythonの基礎は『実習キットでできる!ラズパイPicoでマイコン入門』のセミナで解説しています.

※Python開発環境のインストール方法は,次の記事を参照してください.
 Pythonではじめる 数値解析入門
 [Vol.1 Pythonの開発環境をインストールする]

受講者が準備するもの

  • 簡単なクイズを出題するので,筆記用具と計算用紙があると便利です(任意です).
  • あらかじめテキストを印刷しておくと便利です(2スライド/ページの両面印刷がおすすめですが任意です).
  • 自分のパソコンでPythonのプログラムを実行したい方は,あらかじめ実行環境(開発環境)をインストールしてください.なお,Pythonを知らなくても微分・積分の内容は理解できます.

講師紹介

詳細はこちらを参照ください.

略歴

  • 2011年 東京工業大学 工学部 電気電子工学科 卒業
  • 2013年 東京工業大学大学院 理工学研究科 電子物理工学専攻 修了
  • 2013年 株式会社アドバンテスト 入社
  • 2016年 株式会社村田製作所 入社
  • 2019年 リニア・テック 開業

主な著書

  1. 電子回路のキホン 要点マスタ50,トランジスタ技術,2015年5月号,別冊付録,CQ出版社.
  2. 情熱のフル・ディスクリートFMラジオ,トランジスタ技術,2016年1月号 特集 第5章,CQ出版社.
  3. 本質理解!万能アナログ回路塾,トラジスタ技術,2017年9月号,連載,CQ出版社.
  4. 初等関数と微分・積分,2019年,CQ出版社.
  5. 月着陸船アポロに学ぶ確率統計コンピュータ,トランジスタ技術,2019年7月号 特集,CQ出版社.
  6. 大解剖!CPUはこうやって動いている,トランジスタ技術,2020年5月号 特集,CQ出版社.