$50キット“M5Stamp Fly”に0から実装！
ドローンの姿勢制御プログラミング

推力測定からモデリングまで！高安定飛行に成功するための要点

上下降，左右傾き，前後傾き，水平回転を制御する


図1　クアッドコプタの姿勢はプロペラの回転速度を調整して制御する．基本的な運動量は，上下降，左右傾き（ロール），前後傾き（ピッチ），水平回転（ヨー）の4つ．画像クリックで動画を見る．または記事を読む，StampFlyで学ぶマルチコプタ制御（全200頁），［著］伊藤恒平

クアッドコプタの制御は，プロペラの回転速度を調整することで，機体の運動を制御します．基本的な運動には「上昇・下降」，「ロール回転（左右傾き）」，「ピッチ回転（前後傾き）」，「ヨー回転（機体の水平回転）」の4つがあります．

これらの運動は合計4種類に集約され，これらの組み合わせによってクアッドコプタの安定した飛行が可能になります．前後移動や左右移動は，ピッチやロールの回転と連動した推力の調整で間接的に実現します．

“M5Stamp Fly”は，C/C++言語でプログラミング可能な小型ドローン・キットです．このキットは，基本的なAPIがオープンソースとして提供されており，PID制御などの手法を用いた飛行制御プログラムの作成を容易にします．

PID制御とは，プロポーショナル（P），積分（I），微分（D）の3要素を組み合わせたフィードバック制御で，ドローンの姿勢安定化に広く使われています．

PID制御は，センサから得られるデータに基づいてプロペラの回転速度をリアルタイムで調整する手法です．

これにより，クアッドコプタは環境の変化や外乱に対して安定した姿勢を保つことが可能です．

クアッドコプタの回転運動では，モータ間の推力バランスが重要な要素です．たとえば，ロール回転では左側のモータを高速回転させ，右側のモータを低速にすることで，機体が右に傾きます．この原理を理解することで，スムーズな方向転換や姿勢の安定化が可能になります．〈著：ZEPマガジン〉