M5Stack IoT電子工作 Pythonプログラミング入門その2

WiFi×インターネットサーバ通信編

クライアント/サーバ/アクセス・ポイントの3つの動作モード


図1　ESP32マイコンを内蔵するIoT開発キット M5Stack Core2は，クライアント，サーバ，アクセス・ポイントの3つの動作モードを備え，幅広いIoTアプリケーションを構築できる．画像クリックで動画を見る．または記事を読む．［提供・著］白阪一郎詳細：［VOD/KIT］ M5Stack Core2付き！ESP32で学ぶPython＆Arduinoプログラミング入門

図1　ESP32マイコンを内蔵するIoT開発キット M5Stack Core2は，クライアント，サーバ，アクセス・ポイントの3つの動作モードを備え，幅広いIoTアプリケーションを構築できる．画像クリックで動画を見る．または記事を読む．［提供・著］白阪一郎
詳細：［VOD/KIT］ M5Stack Core2付き！ESP32で学ぶPython＆Arduinoプログラミング入門

M5Stack Core2は，ESP32マイコンを基盤としたIoT開発キットです．その強力なWi-Fi機能を活用することで，クライアント，サーバ，アクセス・ポイント（AP）の3つの動作モードを駆使した幅広いIoTアプリケーションの構築が可能です．

ESP32のWi-Fiモジュールは，次の3つのモードをサポートします．これらを柔軟に組み合わせることで，複雑なネットワーク環境にも対応できます．

ステーション・モード（Client）
ステーション・モードでは，ESP32がWi-Fiネットワークのクライアントとして動作します．このモードを使用すると，インターネットから情報を取得するセンサ端末や，クラウド連携型IoTデバイスを構築できます．たとえば，$V_{in}$や温度センサ・データを取得してクラウドに送信するシステムが挙げられます
ステーション・モードでのサーバ動作（Server）
ESP32がクライアントであると同時に，サーバとしても機能するモードです．この構成により，端末が収集したデータをPCやスマートフォンに提供することが可能です．UIの更新や状態監視に適しています
アクセス・ポイント・モード（AP）
APモードでは，ESP32自身がアクセス・ポイントとして機能します．このモードでは外部Wi-Fiネットワークに依存せず，ESP32に直接デバイスを接続してデータ交換が可能です．センサ設定やデバイス間通信に活用されます

これらのモードは単独でも，また複合的に運用することが可能です．

M5Stack Core2は，IoT開発のために設計された高性能なデバイスです．240MHzのデュアル・コアESP32-D0WD-V3マイクロプロセサを搭載し，豊富な周辺機器を備えています．以下はその主な特徴です．

IoTスマートホームのコントローラを構築する場合，クライアント・モードでインターネットから天気予報を取得し，APモードでスマートフォンと直接通信するような運用が考えられます．

IoTデバイスの中核として，アクセス・ポイント（AP）モードは重要です．このモードを適切に活用することで，従来のネットワーク依存型システムを脱却し，独立したデバイス間通信を実現します．

独立性
APモードを使用することで，インターネット接続のない環境でもデバイスが通信できます．これにより，災害時やリモート環境での使用が可能になります
設定の簡便性
PCやスマートフォンがESP32のAPに接続することで，デバイス設定やファームウェア更新が可能です．Wi-FiネットワークのSSIDやパスワードの入力を行えます
リアルタイム性
外部サーバを介さずにデータ交換が行えるため，リアルタイム性が求められるアプリケーションに適しています．例として，無人搬送車（AGV）の通信が挙げられます

農業IoTでは，APモードを使用してセンサ情報を収集し，タブレットで直接データを閲覧するシステムが構築されています．このシステムは，ネットワークの不安定な環境下でも動作可能で，現場作業の効率化に寄与します．〈著：ZEPマガジン〉