Pythonで一緒にロボットのモデルベース設計

ラズパイによる角度の比例制御

ロボットのモデルベース設計とラズパイによる角度の比例制御


図1　比例制御（P制御）の欠点「定常偏差が0にならない」「振動の発生」「ノイズの影響を受ける」は，積分制御（I制御）と微分制御（D制御）を加えることで解決できる．画像クリックで動画を見る．または記事を読む．［提供・著］南裕樹詳細：［VOD/Book］Pythonで一緒に！ロボット制御のモデルベース設計【PID制御編】

図1　比例制御（P制御）の欠点「定常偏差が0にならない」「振動の発生」「ノイズの影響を受ける」は，積分制御（I制御）と微分制御（D制御）を加えることで解決できる．画像クリックで動画を見る．または記事を読む．［提供・著］南裕樹
詳細：［VOD/Book］Pythonで一緒に！ロボット制御のモデルベース設計【PID制御編】

モデルベース設計（MBD, Model-Based Design）は，制御対象（ロボットなど）の物理モデルを数学的に記述し，そのモデルを基に設計・シミュレーション・制御を行う手法です．このアプローチでは，物理法則に基づいたモデルを利用して，制御性能の予測や設計プロセスの効率化を図ります．

ロボットの角度制御では，一般的に比例制御（P制御）が基盤になります．比例制御では，現在の角度の誤差 $e（t）$ を元に操作量 $u（t）$ を次のように計算します． \[ u（t） = k_p \cdot e（t） \]

$k_p$ は比例ゲインで，制御系の応答性を調整します．

ラズパイ（ラズベリー・パイ）を用いた実験では，この比例制御をプログラムし，実際のモータやサーボを動かすことで，制御性能を確認しました．

ロボット・アームの角度をターゲット値 $θ_{target}$ に近づけるには，以下の手順が有効です．

この方法はシンプルでありながら，速やかな応答を得られることから，モデルベース設計における基本的な制御として広く用いられています．

比例制御（P制御）は，制御系において次のような特徴をもっています．

比例制御にはいくつかの限界もあります．

〈著：ZEPマガジン〉

2009年3月　京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了．日本学術振興会特別研究員（DC2），舞鶴工業高等専門学校助教，京都大学特定助教，奈良先端科学技術大学院大学助教，大阪大学講師
2019年3月大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻准教授．ノイズシェーピング理論に基づく量子化器設計およびその応用に関する研究に従事．博士（情報学）．