コーディングと可視化ブラウザIDE Jupiter LAb


ラズパイ×Pythonモータ制御プログラミング入門

ラズベリー・パイとエンコーダ付きDCモータの接続

図1 ラズベリー・パイにはPythonおよびJupyter Labがあらかじめ導入されている.Jupyter Labはブラウザ上で動作する統合開発環境で,コードの編集・実行・結果の可視化を同一画面で行える.画像クリックで動画を見る.または記事を読む.[提供・著]南裕樹
詳細[VOD/Pi KIT]ラズパイ×Pythonで動かして学ぶモータ制御入門

モータ制御を学ぶための実験環境として,ラズベリー・パイとエンコーダ付きDCモータを組み合わせる構成が有効です.エンコーダはモータの回転角度や速度を検出するためのセンサであり,制御系のフィードバック信号として利用します.ラズベリー・パイとはUSBケーブルを介して接続し,モータドライバ経由で制御信号を出力します.

この構成によって,モータの動作データを取得しながら制御アルゴリズムを実装することが可能です.Pythonを用いることで,データ処理や制御ロジックを簡潔に記述でき,プログラムの修正や再実行も容易です.

Jupyter Labによる開発環境の構築

ラズベリー・パイにはPythonおよびJupyter Labがあらかじめ導入されていることが多く,すぐに開発を始めることができます.Jupyter Labはブラウザ上で動作する統合開発環境(IDE)であり,コードの編集・実行・結果の可視化を同一画面で行えます.

ラズベリー・パイに直接接続せず,SSHでリモート接続してJupyter Labを利用する方法が一般的です.ブラウザ上にJupyter Labを開くと,Pythonコードをセル単位で実行し,出力結果やグラフを即座に確認できます.このしくみにより,モータの動作確認や制御パラメータの調整を効率的に行うことができます.

Jupyter Labを活用する利点

  1. リアルタイムでデータを可視化できる
  2. 制御パラメータを変更して再実行が容易
  3. コードと結果を一体化して保存・共有できる
  4. ラズベリー・パイへのリモート・アクセスで開発環境を簡潔に維持できる

これにより,試行錯誤を繰り返す制御実験において効率的な検証が可能です.Jupyter Labの柔軟な構造は,学習用だけでなく実験データ解析やアルゴリズム検証にも適しています.

Pythonによる制御とデータ可視化

Pythonには制御設計やデータ解析に利用できる多くのライブラリがあります.モータ制御では,I$^2$C通信を介してセンサ・データを取得し,制御信号を計算してモータドライバに出力します.得られたデータをJupyter Lab上でプロットすれば,速度応答やトルク特性などを即座に確認できます.

このような構成を用いれば,制御の理論と実験結果を直接対応付けることができます.ラズベリー・パイを中心としたシンプルなシステムであっても,PythonとJupyter Labを組み合わせることで高度な解析や制御設計を実現できる点が特徴です.

〈著:ZEPマガジン〉

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参考文献

  1. [VOD/Pi KIT]MATLAB/Simulink×ラズパイで学ぶロボット制御入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. [VOD/KIT]MATLAB/Simulink×ラズパイで学ぶロボット制御入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [VOD/Pi400 KIT]SLAMロボット&ラズパイ付き!ROSプログラミング超入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
  4. [VOD/KIT]確率・統計処理&真値推定!自動運転時代のカルマン・フィルタ入門,ZEPエンジニアリング株式会社.