RTKからMADOCAまで衛星測位方式の整理
単独高精度測位入門 みちびき補正信号CLASの活用
受講無料!LiDAR×RTK×IMUフュージョン!自動運転&SLAMロボット開発(2025年5月7日 限定再配信)
単独高精度測位入門 みちびき補正信号CLASの活用
![]() |
---|
図1 衛星測位技術は単独測位と相対測位に分類される.CLASはみちびき衛星による補正信号を活用した単独測位方式で,日本国内でcm級の精度を実現する.画像クリックで動画を見る.または記事を読む.[提供・著]岡本 修 詳細:[VOD]センチメートル測位RTKのしくみと開発技術 |
衛星測位には単独測位と相対測位があります.CLASは「Centimeter Level Augmentation Service」の略で,みちびき衛星から配信される補正信号を活用した単独測位方式です.以下がCLASの特徴です
- 日本全土を対象にしたサービス
- 収束時間は約1分
- 精度は約7cm(RMS値)
- 補正信号を受信することで高精度な測位が可能
CLASは基準局のデータを利用しつつ,受信機だけで測位を行うため,純粋な単独測位ではありません.ただし,基準局を自ら設置する必要がない点で利便性が高いです.
RTKからMADOCAまで:衛星測位方式の整理
衛星測位方式には複数の種類があります.以下に代表的な方式を整理します
- RTK(リアルタイム・キネマティック):基準局と移動局の2台で測位.精度数cm,収束時間5~30秒
- ネットワーク型RTK(VRS):電子基準点を利用し,基準局不要.月額費用が発生するが広域カバー可能
- MADOCA-PPP:みちびき衛星を利用したPPP方式.収束時間15~30分,精度10~15cm
- CLAS:みちびき衛星による補正信号を活用した単独測位.収束時間1分,精度7cm
RTKは基準局が必要ですが,高い精度と短い収束時間が特徴です.CLASは基準局不要で簡便性が高く,日本国内で広く利用されています.
CLASのしくみと利点
CLASは以下のしくみで動作します
- 地上基準局が衛星信号から誤差情報を抽出
- 誤差情報をみちびき衛星経由で配信
- 受信機が補正情報を利用して高精度な位置を算出
利点は以下です
- 基準局不要で運用コスト削減が可能
- 日本全土をカバーする広域性
- cm級の精度を実現
MADOCA-PPPとRTKの比較
MADOCA-PPPとRTKには以下の違いがあります
- MADOCA-PPP:収束時間15~30分,精度10~15cm.広域カバー可能だがリアルタイム性に欠ける
- RTK:収束時間5~30秒,精度数cm.リアルタイム性に優れるが基準局が必要
MADOCA-PPPは航空や船舶など広域用途に適し,RTKは工事測量や農業など高精度なリアルタイム用途に適しています.〈著:ZEPマガジン〉
著者紹介
- 1993年 西松建設(株)技術研究所研究員
- 2000年 茨城工業高等専門学校助手
- 2002年 博士(工学)「リアルタイム・キネマティックGPS測位の建設工事における応用に関する研究」,主に建設業における高精度衛星測位の応用において,1周波RTK測位の普及等の低価格化,遮へいやマルチパスの多い環境におけるセンチメータ級測位の応用,誤差補正法に取り組む.RTK-GPSの誤差補正法等で2001年日本測量協会測量技術奨励賞,地下埋設物可視化システムの開発で2019年土木学会技術開発賞を受賞
- 2020年 静岡大学土木情報学研究所客員教授
- 詳細
著書
- 高精度衛星測位の性能と応用事例,日本ロボット学会誌,37(7),pp.15~20,2019.7.
- 衛星測位を利用した土壌汚染状況調査における調査地点設定システム,測量,65(12),pp.14-17,2015.12.
- 電波の悪い森の中でも美軌道測位,トランジスタ技術2019年10月号,別冊,pp.2~3,CQ出版社.
- 最新RTKレシーバFi×性能対決,トランジスタ技術2019年2月号,pp.41~45,CQ出版社.
- センチ・メートル測位RTK法の基礎と実力,トランジスタ技術2016年2月号,pp.66~79,CQ出版社.
参考文献
- [VOD/KIT]RTKポータブル・センチ・メートル測位キット,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/Pi400 KIT]SLAMロボット&ラズパイ付き!ROSプログラミング超入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]確率・統計処理&真値推定!自動運転時代のカルマン・フィルタ入門,ZEPエンジニアリング株式会社.