位置補正信号を放送中 準天頂衛星QZSSとは


単独高精度測位入門みちびき補正信号CLASの活用


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準天頂衛星QZSSとは

図1 準天頂衛星システムQZSSは,日本国内で高精度な測位サービスを提供する衛星測位インフラ.CLASはその補正信号を活用し,高精度な単独測位を実現する .画像クリックで動画を見る.または記事を読む.[提供・著]岡本 修
詳細[VOD]センチメートル測位RTKのしくみと開発技術

準天頂衛星システム(QZSS)は,日本の測位衛星システムであり,愛称「みちびき」として知られています.以下がQZSSの特徴です

  1. 準天頂軌道と静止軌道を組み合わせた構成
  2. 日本上空に常時1機以上の衛星を配置
  3. GPSとの互換性をもち,補完・補強効果を提供
  4. 2018年11月に正式運用開始

衛星は8の字軌道を描きながら,日本の天頂付近に長時間滞在します.この軌道設計により,山間部や都市部でも高仰角で信号を受信できる利点があります.2025年度までに7機体制を完成させる計画が進行中です.

単独高精度測位入門:みちびき補正信号CLASの活用

CLAS(Centimeter Level Augmentation Service)は,準天頂衛星から配信される補正信号を活用した単独測位方式です.以下がCLASの特徴です

  1. 日本全土を対象としたサービス
  2. 収束時間は約1分
  3. 精度は約7cm(RMS値)
  4. L6D信号を利用して高精度な測位が可能

CLASは基準局のデータを利用しつつ,受信機だけで測位を行います.純粋な単独測位ではありませんが,基準局不要という利便性があります.これにより,農業自動運転やGIS調査など幅広い分野で活用されています.

QZSSとGPSの補完・補強効果

QZSSは以下の2つの効果を提供します

  1. 補完:GPS信号が遮られる地域でも高仰角からの信号受信が可能
  2. 補強:L6信号やL1S信号による測位精度向上

GPSとの互換性により,既存の受信機でQZSS信号を利用できます.これにより,都市部や山間部でも安定した位置情報が得られます.

CLASとMADOCA-PPPの比較

CLASとMADOCA-PPPには以下の違いがあります

  1. CLAS:収束時間約1分,精度7cm.日本全土で利用可能
  2. MADOCA-PPP:収束時間15~30分,精度10cm.アジア・オセアニア地域で利用可能

CLASはリアルタイム性に優れ,農業や自動運転など実用性が高い用途に適しています.一方でMADOCA-PPPは広域用途に適しています. 〈著:ZEPマガジン〉

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著者紹介

  • 1993年 西松建設(株)技術研究所研究員
  • 2000年 茨城工業高等専門学校助手
  • 2002年 博士(工学)「リアルタイム・キネマティックGPS測位の建設工事における応用に関する研究」,主に建設業における高精度衛星測位の応用において,1周波RTK測位の普及等の低価格化,遮へいやマルチパスの多い環境におけるセンチメータ級測位の応用,誤差補正法に取り組む.RTK-GPSの誤差補正法等で2001年日本測量協会測量技術奨励賞,地下埋設物可視化システムの開発で2019年土木学会技術開発賞を受賞
  • 2020年 静岡大学土木情報学研究所客員教授
  • 詳細

著書

  1. 高精度衛星測位の性能と応用事例,日本ロボット学会誌,37(7),pp.15~20,2019.7.
  2. 衛星測位を利用した土壌汚染状況調査における調査地点設定システム,測量,65(12),pp.14-17,2015.12.
  3. 電波の悪い森の中でも美軌道測位,トランジスタ技術2019年10月号,別冊,pp.2~3,CQ出版社.
  4. 最新RTKレシーバFi×性能対決,トランジスタ技術2019年2月号,pp.41~45,CQ出版社.
  5. センチ・メートル測位RTK法の基礎と実力,トランジスタ技術2016年2月号,pp.66~79,CQ出版社.

参考文献

  1. [VOD/KIT]RTKポータブル・センチ・メートル測位キット,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. [VOD/Pi400 KIT]SLAMロボット&ラズパイ付き!ROSプログラミング超入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [VOD]確率・統計処理&真値推定!自動運転時代のカルマン・フィルタ入門,ZEPエンジニアリング株式会社.