高速&エラーレス!
5G×EV時代のプリント基板&回路設計 100の要点

30Gbps超のアナログ実装技術から高エネルギ密度SiCインバータの放熱技術まで
(講義313分/238頁)


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お申込み前にご理解いただきたいこと

  1. 本VOD製品は,2023年11月10日に開催したオンライン・セミナ「高速&エラーレス!5G×EV時代のプリント基板&回路設計 100の要点 」の講義動画とテキストのセット商品です.講義動画は繰り返し再生,一時停止,巻き戻しが可能です.

【セッション1】
30Gbpsエラーレス!計測通信用A-D/D-Aコンバータの実装技術

FPGA/CPUに至る難関シリアル通信の高品質伝送路設計の最重要ポイント

講義内容

現代のデータ・コンバータ成功の鍵はシリアル・インターフェースの実装

A-DコンバータやD-Aコンバータは,計測システムや通信機器のキー・デバイスですが,サンプリング変換速度と分解能が高度化し,汎用的な12ビット100MSPS品でも,FPGA/CPUとの間のシリアル通信速度は1.2Gbpsにも上ります.今やA-D/D-Aコンバータを確実に動かし切る成功の鍵は,エラーのないシリアル・インターフェースのプリント基板の設計技術と実装技術です.

差動パラレル・インターフェースを採用する従来の高速コンバータは,信号の本数が多く,実装面積が大きくなりがちです.しかしシリアル化すれば,実装面積は各段に減少します.ただし,ディジタル信号の伝送速度が何倍にも増して,プリント基板の設計技術や実装技術の難易度が一気に上がります.

超高速シリアル伝送線路の設計規準 JESD204

米国 電子デバイス技術合同協議会 JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)は,高速化したA-D/D-Aコンバータのシリアル・インターフェースの設計基準“JESD204”を用意しました.主流の JESD204BおよびJESD204Cのデータ信号線の最高速度は12.5Gbpsまたは32Gbpsです.この規格は,超高速ディジタル信号を品質よく伝送するためのさまざまな技術的な技術を定めており,その内容はドライバ/レシーバの電気的仕様から信号のデコードやエラー補正,伝送線上の信号品質など,多岐にわたります.

本講演では,JESD204信号の電気的特徴と,その伝送路に関する仕様について解説します.JESD204は,高速ディジタル伝送を考えるうえで1つの指針になるものです.JESD204の信号伝送という視点から解説します.

受講対象

  • レーダ・システムとその応用分野(フェイズド・アレイ・レーダ,電子戦装置や追尾装置)の開発に携わっている方
  • 画像診断装置を設計している方
  • 多チャネル超音波機器を設計している方
  • RF機器の試験装置や計測機器を設計している方
  • ディジタルリッチな通信システムとその応用分野(SDRシステムなど)の開発に携わっている方

講師紹介

略歴

  • 1979 芝浦工業大学 通信工学科卒業
  • 同年 Analog Devices of Japan Inc に入社(後にアナログ・デバイセズ株式会社)
  • 同社にてアナログ・モジュール開発,Mixedシグナル・テスタのテスト・モジュール
  • 開発,高速リニア・カスタム集積回路の開発サポート,汎用リニア製品マーケティング等を担当.その間,技術セミナの講師多数

主な著書

  1. [VOD]アナログ・デバイセズの電子回路教室【差動信号とその周辺回路設計技術】,ZEPエンジニアリング.
  2. [VOD]アナログ・デバイセズの電子回路教室【A-D/D-Aコンバータの使い方】,ZEPエンジニアリング.
  3. OPアンプ増幅回路の2つのゲイン,ZEPエンジニアリング.
    信号に対する増幅率「シグナル・ゲイン($G_{signal}$)」だけを考えて帰還回路を設計する場合が多いですが,「ノイズ・ゲイン($G_{noise}$)」も合わせて考慮するべきです.
  4. 世界の定番OPアンプで作る実用アナログ回路集,CQ出版社.
  5. OPアンプ大全(翻訳),CQ出版社.
  6. その他 技術記事の多数執筆(日経エレクトロニクス,トランジスタ技術,電波新聞など)

【セッション2】
人工衛星搭載ミリ波5Gフェーズドアレイ・アンテナの研究

宇宙-地上間の高速無線を実現するビームフォーミングの次世代技術

講演内容

本講演では,実際に小型衛星に搭載予定の,次世代の高速無線通信Beyond 5G/6Gに向けたフェーズドアレイ無線通信機について解説します.フェーズドアレイ無線通信機を構成する半導体ICおよびプリント基板の設計について詳しく説明します.

  1. 人工衛星搭載の無線機への人工衛星搭載の無線機への要求
    Ka帯フェーズドアレイの必要性
    フェーズドアレイに求められる性能
  2. 開発した衛星搭載用Ka帯フェーズドアレイ無線機
    高放射線耐性受信機
    高電力効率送信機
  3. さらなる衛星の小型化に向けた宇宙展開型フェーズドアレイ 無線機
  4. まとめ

受講対象

  • 5G/6G次世代通信機を設計している方

講師紹介

略歴

  • 2015年 東京工業大学総合理工学研究科博士課程修了
  • 2015年 株式会社東芝に入社し,無線通信用集積回路の研究に従事
  • 2022年 東京工業大学科学技術創成研究院,准教授.専門は,無線通信,衛星通信,および無線電力伝送用集積回路

【セッション3】
“Todd Hubing”教授に学ぶ プリント基板EMC

インダクタンスの基本/電磁界結合/配線不平衡度とコモンモード/偶数高調波発生

講演内容

プリント基板のEMC (Electromagnetic compatibility)を考えるときに役立つ要素技術を分かりやすく具体的に解説します.本講演では,Todd Hubing教授の「EMC Question of the Week 2017-2020」 (日本語版『デシベルから始めるプリント基板EMC即答200(ZEPエンジニアリング)』の設問の中で,以下に示す初級・中級者がぜひとも理解しておきたい項目を取り上げ,掘り下げて詳解します.

  1. プリント基板と電磁界
  2. インダクタンスの求め方
  3. ローカル&グローバル キャパシタ
  4. 不平衡配線とコモンモード
  5. 偶数高調波が強く観測される理由

関連書籍:[Book/PDF]デシベルから始めるプリント基板EMC 即答200

Index

  • 第1章 エレクトロニクスの基礎
    1.1 デシベルの引き算は割り算.単位はつかない
    1.2 デシベルの引き算は倍率を表す
    1.3 30dB 減衰器は信号電圧を1/30にする ほか
  • 第2章 テクニックによるノイズ対策
    2.1 接地による安全の確保
    2.2 グラウンド・ストラップはより短く ほか
  • 第3章 部品によるノイズ対策
    3.1 比誘電率が高いX7R はセラミック・キャパシタ
    3.2 ソリッド抵抗器は電圧サージに強い ほか
  • 第4章 理論・メカニズム
    4.1 差動信号の基板からケーブルへの受け渡し方
    4.2 シングルエンド信号のワイア・ペア伝送はNG ほか

講師紹介

略歴

  • 1982年 九州大学大学院総合理工学研究科修了
  • 1982年 日本アイ・ビー・エム株式会社入社.通信端末の製品開発,数値シミュレーションを応用したEMC 製品設計技術の研究,開発に従事
  • 2005年 IBM ディスティングイッシュド・エンジニア,技術開発センター長
  • 2010年 数値気象予測などIBMの基礎研究成果を活用したソリューション開発に従事
  • 2020年 同社退社
  • 2021年 株式会社システムデザイン研究所・顧問,山形大学ナスカ研究所教授.iNARTE EMCマスタ・デザイン・エンジニア

主な著書

  1. [Book/PDF]デシベルから始めるプリント基板EMC 即答200,ZEPエンジニアリング.
  2. EMC概論.
  3. EMC概論演習,科学情報出版.
  4. ノイズ解決の早道六法,CQ出版社.
    ほか翻訳・著書多数

Dr.Todd Hubing紹介

略歴

クレムソン大学の電気・コンピュータ工学の名誉教授,LearnEMCの社長.MITでBSEE,パデュー大学でMSEE,ノースカロライナ州立大学でPh.D.を取得.IBMで7年間エンジニアを務め,ミズーリ大学ローラ校で17年間教員を務めた後,2006年にクレムソン大学に入社.

クレムソン大学の車両エレクトロニクスのミシュラン教授として,クレムソン車両エレクトロニクス研究所を設立し,車両エレクトロニクス,電磁適合性,ディジタル・シグナルインテグリティの研究プロジェクトを監督し,授業を担当.

同氏が運営するウェブサイト“LearnEMC”では,自動車,航空宇宙,民生用電子機器の各業界で働くエンジニアを対象に,EMCに関する指導,コンサルティング,設計支援を行っている.

電気電子学会(IEEE)フェロー,Applied Computational Electromagnetics Societyフェロー,IEEE Electromagnetic Compatibility Society Past-President.

主な著書

  1. EMC Question of the Week 2017-2020

【セッション4】
低エラー・レート広帯域ディジタル変復調回路の設計技術

24G~40GHzのミリ波ローカル5G対応!高$C/N$ PLLシンセサイザ ADF4372を攻略

講演内容

本格化する400MHz超広帯域ローカル5Gの実証実験

24G~40GHzのミリ波帯を利用するローカル5Gには,従来の携帯通信規格4Gにはない2つの特徴があります.1つは,400MHzもの広い帯域が割り当てられていることです.これだけの帯域があれば,4K/8K映像の高精細映像システムや臨場感あふれるVRシステムを実現できます.もう1つは,NTTドコモやKDDIなどのいわゆるキャリア以外の自営企業が独自に利用できる帯域が新設された点です.DX化を精力的に進める企業各社が実証実験を本格化しています.

成功の鍵は高$C/N$PLLシンセサイザの設計

ディジタル変調器の変調精度は,位相ノイズ(ジッタと同じ意味)の指標“$C/N$”で決まります.変調精度の高い(低エラー・レート)通信機を作るためには,$C/N$の小さいPLLシンセサイザICを使いこなして,純度の高いミリ波を生成する要があります.

通常,ミリ波周波数は,PLLシンセサイザの出力周波数を4逓倍して得ますが,同時にジッタも4倍悪化します.$C/N$の高いミリ波周波数を生成するためには,ADF4372を始めとする高$C/N$性能を備えたPLLシンセサイザを選び,周辺部品を厳選して定数を正しく設計し,超低雑音電源回路,および高い応答速度そして安定性を実現するループ・フィルタを構成することが肝要です.

エラーレートの低いディジタル変復調器の開発事例を紹介

本講演では,1台で24G~40GHzのディジタル送受信の実験が可能な $I/Q$ディジタル 変復調器“mmCon2”(開発 株式会社ラジアン)を例に,ミリ波ディジタル変復調器の回路設計技術と基板実装技術を解説します.mmCon2は,24G~40GHzの無線周波数を100M~6GHzのベースバンド周波数にダウンコンバートしたり,逆に100M~6GHzのベースバンド周波数を24G~40GHzの無線周波数にアップコンバートするmmCon1の改良版です.mmCon1に関する技術解説記事はこちらをご覧ください.

受講対象

  • PLLシンセサイザを設計している方
  • 5G/6G次世代通信機を設計している方
  • 宇宙通信器を設計している方

講師紹介

略歴

  • 1990年 無線通信機器メーカで研究開発.その後,計測器メーカでRF測定機器,半導体試験装置の設計開発
  • 2017年 フリーランスエンジニアとして独立,無線通信機器やSDR機器の受託開発
  • 2019年 株式会社ラジアンとして法人化,現在に至る

主な著書

  1. 5G時代の先進ミリ波ディジタル無線実験室【ミリ波の性質と広帯域通信の実験環境】,ZEPエンジニアリング.
    医療,自動車,ゲームから工場,教育まで,さまざまな分野・業界で,無線通信技術にさらなる高速性とリアルタイム性,同時接続性が強く求められています.この要求に応えるのが次世代の超広帯域通信規格“5G”です.
  2. 5G時代の先進ミリ波ディジタル無線実験室【初めての28GHzミリ波伝搬実験】,ZEPエンジニアリング.
    次世代通信5Gには,400MHzもの超広帯域ベースバンド信号を送受信できる自営用の周波数バンド「ローカル5G」が割り当てられています(連載第1回参照).本稿では,ローカル5Gが利用する28GHzミリ波を伝搬する実験の方法を紹介します.
  3. 超長距離無線LoRaからローカル5Gまで!GNU Radio×USRPで作るソフトウェア無線機,ZEPエンジニアリング.
  4. 自宅で設計・開発!USBミクスト・シグナル・アナライザ Analog Discovery Pro 3000 誕生,ZEPエンジニアリング.
  5. 高精度基準搭載&1GSPS広帯域!プロ用USBマルチ測定器 ADP5250誕生,ZEPエンジニアリング.
  6. [VOD/KIT]GPSクロック・ジッタ・クリーナ,ZEPエンジニアリング.
  7. [VOD]Linux搭載USBマルチ測定器 Analog Discovery Proで作る私の実験室,ZEPエンジニアリング.
  8. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】/【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング.
  9. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング.
  10. 信号処理プログラミングで操るソフトウェア無線機&計測機 トランジスタ技術SPECIAL No.146,CQ出版社.
  11. 電波解読マシン Piラジオの製作/電波超解像!スペクトラムプロセッサSDR誕生/夢のRFコンピュータ・トランシーバ製作,月刊 トランジスタ技術,CQ出版社.
  12. 実践式!トランジスタ回路の読解き方&組合せ方入門,トランジスタ技術SPECIAL No.139,CQ出版社.
  13. KiCad×LTspiceで始める本格プリント基板設計[DVD付き],トランジスタ技術SPECIAL No.142,CQ出版社.
  14. ベスト・アンサ150!電子回路設計ノウハウ全集,トランジスタ技術SPECIAL No.143,CQ出版社.
  15. 回路図の描き方から始めるプリント基板設計&製作入門,トランジスタ技術SPECIAL No.148,CQ出版社.
  16. プリント基板設計 実用テクニック集,トランジスタ技術SPECIAL No.157,CQ出版社.
  17. はじめての回路の熱設計テクニック,トランジスタ技術SPECIAL No.159,CQ出版社.
  18. アナログ回路入門!サウンド&オーディオ回路集,トランジスタ技術SPECIAL No.160,CQ出版社.

著者が開発したキットやモジュール

  1. [KIT]ミリ波5G対応アップ・ダウン・コンバータ【mz-mmcon1】,ZEPエンジニアリング.
  2. [VOD/KIT]GPSクロック・ジッタ・クリーナ,ZEPエンジニアリング.
  3. [KIT]実験用28GHzミリ波パッチ・アンテナ【mz-mmant1】,ZEPエンジニアリング.
  4. [KIT]実験用800M~6GHz 広帯域90°ハイブリッド【mz-qhybrid】,ZEPエンジニアリング.
  5. [KIT]実験用27.5G-29.5GHzバンド・パス・フィルタ【mz-mmbpf1】,ZEPエンジニアリング.

参考資料

  1. VCO内蔵マイクロウェーブ広帯域シンセサイザ ADF4372技術資料
    詳細はこちら

【セッション5】
SiC/GaN搭載 高エネルギ密度機器・EVインバータの冷却技術

熱対策必要デバイスを早期発見!高信頼性と性能を確保する戦略的アプローチ

講演内容

5G通信や自動運転技術は,ハードウエア・デバイス(高速通信・処理プロセッサやパワーデバイス,センシング・表示デバイス)に支えられています.これらのデバイスは年々小型・高性能化と消費電力の増加が進んでおり,適切な冷却が求められます.

部品はその消費電力と大きさ,許容温度から,熱対策不要部品,基板放熱部品,筐体放熱部品,冷却デバイス装着部品に分類できます.計初期段階で各デバイスを適切な判断基準で仕分けして熱対策を織り込んでおくことが製品設計で不可欠になっており,手戻りを減らす有力な手段になります.ここでは熱設計のフロント・ローディングをキーにその実施方法,ツール,取り組み方から具体的な放熱パターン設計まで詳しく解説を行います.

受講対象

  • EVインバータを設計している方
  • 5G高速通信デバイスの熱設計を検討している方
  • ネットワーク・サーバを開発している方
  • パソコンや制御/計測機器の熱設計に従事している方

講師紹介

略歴

  • 1977年 早稲田大学理工学部 機械工学科卒
  • 1977年 沖電気工業株式会社に入社.電子交換機やミニコン,パソコン,プリンタ,FDDなどの冷却方式開発や熱設計に従事.その後,電子機器用熱解析ソフトの開発,CAD/CAM/CAEおよび統合PDMの構築などを担務
  • 2007年 株式会社サーマル・デザインラボを設立.上流熱設計と熱解析の両輪による「熱問題の撲滅」を目指し,製品の熱設計,熱対策支援,プロセス改革コンサルティング,研修などを手がける

主な著書

  1. [VOD]事例に学ぶ放熱基板パターン設計 成功への要点,ZEPエンジニアリング.
  2. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】/【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング.
  3. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】,ZEPエンジニアリング.
  4. エレクトロニクスのための熱設計完全制覇,日刊工業新聞社.
  5. 熱設計と数値シミュレーション,オーム社.
  6. トラブルをさけるための電子機器の熱対策設計,日刊工業新聞社.
  7. 電子機器の熱流体解析入門,日刊工業新聞社.
  8. トコトンやさしい熱設計の本,日刊工業新聞社.

読みもの

  1. 熱設計コンサルタント「国峯尚樹 氏」書き下ろし熱設計コラム

【セッション6】
USB4/DDR5からEV用インバータまで!初めての3次元電磁界シミュレータ活用

広帯域測定器でも観測困難な30Gbps超高速信号を低エラー・インテグレーション

講演内容

速すぎて超広帯域測定器でも観測できない段階に

PCI Express,USB3/USB4,DDR4/DDR5など,20Gbpsを超える高速伝送基板を開発する事例が増えています.

マイクロストリップ線路を光速で進む電気信号は,電荷が導体表面に加えられた線路導体の表面を伝わる一種の電磁波ですから,電磁気の理屈を正しく理解しないまま基板を設計すると,許容できないビット・エラーが頻発します.

ところが,20GHz帯域の超高速オシロスコープやネットワーク・アナライザを利用しても,もはや,線路途中の3D空間での電気信号の電磁界分布を観察することはできません.

定評のあるCST Studio Suiteを使う

本講演では,世界的に定評ある3D電磁界シミュレータ CST Studio Suite(ダッソー・システムズ)を使って,20G~32Gbpsの超高速伝送基板を設計する重要ポイントを解説します.

CST Studio Suiteは,30Gbps超の1パルス信号が進むようすをビジュアルに表示する時間応答表示機能や形状や材質に応じた電磁波のふるまいを可視化する時間領域計算機能を備えています.

3D電磁界シミュレータの活用例

3D電磁界シミュレータは,プリント・パターンをまたぐスリットの影響など,不連続部分のふるまいを理解するのに有効です.

信号周波数が数GHzを超えたときに増してくる,マイクロストリップ線路からの電磁波の漏洩も,周波数領域の電磁界解析によって検証可能です.

また,PWM制御型のEV用モータ・インバータへの3本の主配線を伝わる電磁的なエネルギは,導線の内部ではなく,導体の外部絶縁空間を経由して供給されるため,ノイズ対策用シールドは各線ごとではなく,3本まとめて施す必要があります.このような対策検討にも,3D電磁界解析は大きな効果を発揮します.

受講対象

  • PCI Express,USB3/USB4などのギガビット超高速伝送回路を設計している方
  • PCI Express,USB3/USB4などのギガビット超高速伝送基板を解析している方
  • DDR4/DDR5などの高速メモリ回路基板を設計している方

講師紹介

略歴

  • 1976年 理科学機器機器メーカの分析機器開発部門に配属.高周波,高速ディジタル混在機器の開発設計に携わる
    2000年 上記継続の中で,電磁界・回路シミュレーションをGHz帯アナデジ混在回路開発に適用開始
    2015年 高周波・高速回路設計,EMC対策のコンサルタントとして独立.セミナ講師

主な著書

  1. [VOD/KIT]ポケット・スペアナで手軽に!基板と回路のEMCノイズ対策 10の定石,ZEPエンジニアリング.
  2. [VOD]Gbps超 高速伝送基板の設計ノウハウ&評価技術,ZEPエンジニアリング.
  3. トランジスタ技術,トランジスタ技術SPECIALなど執筆多数

紹介動画

電源面とグラウンド面の間隔が小さい(0.3mm未満)基板上のデカップリング・キャパシタはどのように実装すべきか?

部品の熱は90%以上が基板側から逃げる!